「昔、リンさんに鵜飼いの秘訣を尋ねたことがあるんです。」
「どうしたらあんなに鵜を思いのままに動かすことができるのかってね。」
「そしたらリンさんが言うんですよ...」
「何、俺は何もしないよ。ただ黙って舟を漕いでいるだけさ」
「鵜は好き勝手にやってるだけさ。猟の仕方を仕込む?...とんでもない」
「鵜は何も教えなくても、自分のすることを知ってる...」
「俺にできることは、ただこいつらを信じて、黙って見ててやることだけさ」
「王民は、子は親を選べないって言ってました...」
「ただね...親だって子を選べないんですよ。」
「いや、選んじゃいけないんですよ。」
「子の生き方をね・・・・・・・・・・」
「ただ黙って、舟を漕いでるしかないんです。」